片麻痺 リハビリ

片麻痺のリハビリについて~PLUS Re haが考える片麻痺リハビリとは~

片麻痺とは、脳卒中などの病気により片方の手足が不自由になる状態を指します。

片麻痺になると、自由に動かせない、感覚が鈍くなる、こわばって痛みが出る、歩きづらくなるなどの症状が出ます。こういった症状が出ると回復までに長い時間がかります。

病院や施設のリハビリだけでは症状が残る方が多いです。P LUS Rehaでは、ご自宅や生活の中でできるリハビリが重要になると考えます。

この記事では、片麻痺の症状についてと生活の中でのリハビリを紹介します。

脳卒中とは

脳卒中は、血管の閉塞、破綻などにより、突然神経症状が発現した状態の総称である。

また、寝たきりとなる原因の第1位の病気です。

脳卒中の症状

脳卒中の症状には、運動麻痺、感覚障害、構音障害、高次脳機能障害(失語、失認、失行、半側空間無視など)、意識障害、視野障害、嚥下障害などがあります。

運動麻痺とは〜片麻痺の症状〜

運動麻痺とは、脳卒中により自分の意思で行う運動の神経が障害されることで手足、顔を動かせなくなる症状を言います。

この神経の経路は約90%が延髄の錐体と呼ばれる部分で交差するため、障害された脳とは反対側の半身に運動麻痺が起こります。

右側の脳に脳卒中が起こると、左半身に運動麻痺が起こります(左片麻痺)。

運動麻痺回復ステージ理論

脳卒中の回復過程にはStage理論というものが存在します。脳卒中後に、

  • 「1st Recovery stage」
  • 「2nd Recovery stage」
  • 「3rd Recovery stage」

といった3つのStageがあり、脳内で回復における生理学的な変化が起こっていくといわれています2)。

1st Recovery stage

まず発症した直後の「1st Recovery stage」についてです。

脳卒中直後は、残存している自分の意思で行う運動の神経の興奮性が高いため、運動する神経を賦活するリハビリが必要になります。

その反面、自分の意思で運動を行う際に、脳内では必要以上に広範囲な領域が活動してしまいます。そのため、他の関節や筋肉などを使用し、非効率的な動作を定着してしまいます。

そのため、リハビリにおいて効率の良い動作を定着させ、運動麻痺により片麻痺となった手足を積極的に運動していくことが重要です。

2st Recovery stage

次に概ね3ヶ月〜6ヶ月までの期間を指すことが多い「2st Recovery stage」についてです。

簡単に説明しますと失われた運動機能を別の領域、ネットワークが作用します。運動麻痺には、一次運動野と呼ばれる自分の意思で行う運動の領域だけではなく、運動前野と呼ばれる運動イメージを行い、新たな運動プログラムネットワークの構築を図ることが重要です。

そのため、リハビリにおいて運動イメージを行いながら、運動麻痺により片麻痺となった手足をご自身で積極的に運動していくことが重要です。

3rd Recovery Stage

最後に「3rd Recovery Stage」についてです。

6カ月以降も2nd stage recoveryで再構築された新しい脳内でのネットワークシステムにおいて、それをつなぎ合わせ、反応しやすくします。つまり、今までリハビリで行ってきたことを運動プログラムネットワークを反復して利用し、強化していく事が大切になります。

そのため、リハビリでは今までリハビリで行ってきたことを反復して繰り返し行い、日常的に利用してくことが大事である。

退院後の片麻痺リハビリについて

脳卒中発症6か月後以降の身体機能は、『退院後のリハビリの有無や身体活動により改善・停滞・悪化する』とされております。

つまり、病院から自宅や施設に退院した後に、片麻痺になってしまった手足を動かす機会をどれだけ作れているかが重要になります。

自宅や施設に退院後、片麻痺になってしまった手足を動かす機会が減少することで、歩いたり、物を掴んだりすることが困難になってしまう方が多いと思います。

そのため、歩く際に転んでしまう危険性がある方は、自宅に閉じこもりがちとなり、身体機能・活動量も少なくなってしまいます。

転ぶ危険性がある➡安全のため無理して動かなくなる➡身体機能・活動量が低下するといった悪循環が生じる可能性があります。


この循環に陥らない・脱却するためには、病院を退院後から介護保険や自費リハビリ等を利用していただき身体機能・活動量維持・向上していくことが重要となります。

参考文献

1)医療情報科学研究所:病気がみえる vol.7 脳・神経:第1版,2014
2)原寛美:脳卒中運動麻痺回復可塑性理論とステージ理論に依拠したリハビリテーション.脳外誌 21(7):516-526,2012

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